映画の価値の提供方法について考えました。プリキュアオールスターズを見て。
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今日は6歳の娘を連れてプリキュアオールスターズを見てきました。
映画館にいくのは初めてなので、大興奮。
あ、プリキュアは女の子が好きなTVアニメです。
私が好きなわけではありません。と言っても娘と一緒に見るうちにキャラクターくらいは分かるようになったのが先々代くらいのプリキュアで、今のプリキュアのキャラはほぼ知識ゼロ。
プリキュアは1年毎にシリーズが変わっていくので、毎年変わっていくのです。
その都度グッズが増えるので、マーケティング的には毎年強制的にモデルチェンジをするのでやりやすいのでしょうか。仮面ライダー系も一緒ですね。
ちなみにこんなエントリーを前回読んだ時には、プリキュアの映画を見に行くなんて思ってませんでした。
120人て。
ま、それはさておき。
久しぶりに映画を見たのですが、まあ良く出来ている作りでした。
一部ネタバレになってしまいますが、敵の魔法使いが求めていた究極の魔法を、師は死ぬまで教えてくれなかった。
教えてくれたのは子守唄だけ。なぜそうだったのか真実を聞くために師をよみがえらせるのだ・・・
で、実はすでに究極の魔法は教わっていたんだよということを気付かされて心が洗われるといった内容。
これ、大人が見れば分かるんですよ。
過去にいろんな経験をして、映画も見てきたから作り手の意図が。
しかし、子供に分かるのか?6歳の子供に分かるのか??この意図が。
うちの子はテレビで映画を録画して、それを繰り返し見ることで理解をしているフシがあるのですが、映画の1回上映を見ただけで、意図まで分かるのか、逆に1回で分かったらうちの子天才じゃないかなんて親ばかを想起させてしまうわけです。
そんなことを考えながら映画が終了して子供に感想を聞くと
「面白かった!!」という満面の笑み。
彼女的には大満足なんです。
しかし、究極の魔法とは何か、それがこの映画のキーワードで作者の伝えたいメッセージであることをそれとなく聞き出すが、やっぱり理解していない様子。
なので私から説明をしましたが、いまいちピンときていない。
まあ映画にメッセージがあるなんて、中学か高校生くらいから薄々感じるんですかね。
とても就学前の6歳にフィーリングを感じ取れなんてことは無理な話で。
昔大学時代に、友人が「シックスセンスいみわかんねー。何回繰り返し見ても何が面白いかわからない」と言っているのを思い出しました。
大学生になって、ようやく過去の経験や価値観、理解力をもとに「意味がわからないのは自分のせいじゃなくて作り手が悪いに違いない」という解釈を取れるのであって、そこに到達できないと「なんてこの人は理解力が足りないんだ」とレッテルを貼られておしまいの残念な人に成り下がります。
話はそれましたが、うちの娘は映画の作者の意図を理解していない。
それどころか、聞き逃し、周りに気を取られて集中力の低下、おトイレに行きたくならないかの不安(こっちは親のほうか)、という外乱を考えると、とても映画の製作者の提供するサービスを全て感受したとは言いがたい。
しかし、感想は「面白かった」。
お母さんに内容を言ってごらんと促しても、「面白かったよ~。また行きたい」というだけで、内容は恐らく自分の中で消化出来ていない。
そんな状態なのに、入館料の700円を払って、自分なりに解釈して「楽しかった」という満足感を得ています。
これって大人の世界だったら、やれ内容に不備があるから返金だとか、理解できない作り手が悪いとか、支払った価格に見合うサービスを提供されていないとかクレームになりますよ。
それが映画になると、全て視聴者側の責任になっているのです。
感じられる感性があるか、作り手の意図は読み取れたか、そして感動したかどうかなど。全て視聴者側の責任。
駄作でも、「時間を無駄にしたから金返せ」とは言われないですよね。
(いや、もしかしたら言われている映画もあるかもしれませんが)
この映画における価値観の提供というのは、ある種独特な気がするわけです。
教育的なメッセージを送る内容であっても、受け取る側によって捉え方が違う。それでファンになるかつまらない映画だと言い捨てるか評価される。
まあどっかで、たとえこのようなブログなどで批判的なコメントがあったとしても、それはその人の感じ方の問題で、最悪でも駄作というレッテルを貼られるだけ。
入館料を返金せよというところまでいかないのが、普通のサービスとは違うなぁと感心してしまいました。
お金を払って入館して、理解度が足りなくて理解できなくても、自分のせい。
こういうサービスの提供の仕方をしていくのも良いのかなぁと、強く感じる出来事でした。
結局仕事につながるのかよ!という結論なのですが。
まさかプリキュアでここまで染み入るとは思いもしませんでした。
映画って、本当にいいものですよね。
(って締めて今の若者は分かるのだろうか?)