世界三大利殖
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「利殖」っていい響きですよね。
利息を殖やす(ふやす)というようなイメージを持ちます。
利殖を極めたいですよね。
日本三景、世界三大美人とか、3つって括りやすいんでしょうね。
まるでリスクがない自動利息発生装置みたいな印象を持つこの用語。
実は実現するのは難しいから、こうやって世界三大のお金儲け手段として数えられるのかもしれません。
ですが、オプション売りなら実現可能です。
世界三大利殖
ずばり世界三大利殖とは
- オプション売り
- さやとり
- さや滑り取り
この3つを指します。
1.オプション売り
オプション売りが、世界三大利殖法の中で最も個人投資家が取り組みやすい利殖方法だと思っています。
オプション売りとは、簡単に言うと保険を売る保険屋さんです。
保険屋さんの利益の出し方(※フィクションです)
例えば小学生の運動会があったとします。
そこでスポーツ保険に全校生徒が加入したとしましょう。
- 全校生徒の児童が1000人。
- 保険料は1人200円。
全員が加入したら保険屋さんは1000人×200円=20万円のお金をもらえますよね。
それで・・・みなさんも思い浮かべてくだい。
運動会で大怪我して保険が適用される怪我をした人、見たことありますか?
あ、いたらごめんなさい。
私がこれまで見たことがなかったのでこんな例えをしましたのでここはいないこと前提で進めましょう。
打撲くらいはあるでしょう。
すり傷くらいはあるでしょう。
でもみなさん無事に怪我なく運動会が終わったら、どうなりますか?
全校生徒1000人は楽しかった思い出、
親御さんは怪我なく子供のイベントが終わったので一安心、
そして保険屋さんは20万円丸取り。
三方良しの完璧なお金のやり取りじゃないですか?
これが保険を売ること。オプション売りです。
もしけが人がいたら
こんなにうまくいく運動会ばかりじゃないでしょう。
骨折や不慮の事故など、運動会にはリスクが潜んでいます。
組み体操も中止となる時代です。
たまたま私が参加した運動会ではそのようなことがなかっただけで、実は頻繁になるのかもしれません。
そこで、10人が怪我をしたとして、1人あたり1万円の保険金が下りるとします。
そうすると、保険金で支払うのは10人×1万円=10万円。
一方で最初に受け取ったお金は20万円。差し引き10万円が保険屋さんの利益。
なんということでしょう!
10人怪我しても保険屋さんが利益を持っていけるとは!
けが人が30人いると予想されたら
もし小学校がヤンキー学校で、とんでもない乱闘が予想されたとします。
(予想されるなら中止しろよという話はおいておいて)
けが人が30人いて、1人あたり1万円支払うと、30万円の損失になるため、保険屋さんは損してしまいます。
ここはけが人が20人で済むことを神にお祈りする・・・というのもありなのですが、保険屋さんがあらかじめ30人程度の保険金を支払うことを覚悟しているのだったら、保険金の支払を5000円と最初から決めておけばどうでしょう。
30人×5000円=15万円。
そして保険屋さんが受け取っているのは20万円。
なんということでしょう!
30人怪我してもまだ保険屋さんの利益だなんて!!
つまりこういうこと
保険屋さんは
- けが人の数
がどのくらいいるかを予想して、保険を売ります。
そして数が多ければ
- 保険金支払額
を調整してしまえば、支払額をコントロールできます。
さらには、それでも足りなければ
- 1人から徴収する保険料200円
を値上げして200円→300円にしてしまえば、実入りが大きくなります。
保険をかける家族は、保険金の金額と掛ける保険料を天秤にかけて、あと息子(娘)の万が一の自体に備えるために「保険」を掛けます。
こうして三方良しの保険契約の完成です。
そして保険料のことを英語で「プレミアム」と呼びます。
このプレミアム収入を得ることをプレミアムゲインと呼んでいて、オプションで利殖を狙う方法の1つです。
保険の話はフィクションですが
私は保険屋さんの勤務経験はないので、上記はフィクションです。
厳密にはもっと緻密な計算をしているはずですしこんな簡単に値付けできないと思いますので、それは専門家に譲ります。
こうやって保険のルールを決めてしまえば、あとは怪我する人数が多いか少ないかという確率の問題だけになることをお伝えしたくて例に挙げました。
では他の利殖方法も見てみましょう。
2.さやとり
アービトラージとも言われ、同じ値動きをするはずの商品に価格差があるとき、安い方を買って高い方を売ればその価格差である「さや」が元に戻る性質を利用して利殖を狙います。
裁定取引とも言います。
(例)
その他に、似た動きをする商品間で開いたサヤが元に戻るところを狙うというやり方もあります。
(例)
- 原油とガソリン
- 金と銀
- ドル円とユーロ円
あと業種が似ているのも、相関が合えばさや取りが出来るかもしれない。
だんだん似ているのか疑問になってくる組み合わせに思えてきますよね。そうなったら「さや取り」が出来ないという証拠です。
株式投資でよく言われるところの相関係数なんかを見て、似ている銘柄を取引してやすい銘柄を買って高い銘柄を売れば、さやが元に戻るところで利益を出せます。
完全に相関している銘柄でさやが生じたら、全力で資金を投入すれば、高い確率で勝てます。
しかし、そんな美味しい状況が発生したら間違いなくプロがその利益を取りに行くので、個人投資家にはそのさやを狙いにいけるチャンスがめったに来ません。
チャンスが目の前に落ちていると思ったら、実は元に戻らない価格差になって、結局ロスカットになる羽目に。
このようなリスクがほとんど無い商品は、みんな狙っているので早い者勝ちです。
早い者勝ちの世界だったらプロや業者が最先端マシンを使って24時間体制で監視して機械でトレードしちゃうので、たちまちさやが解消されるはずです。
現に、裁定業者というお仕事の名前がまことしやかに言われるので、このさやを狙うだけの業者も存在します。
そんな世界に個人投資家が目視でさやを見つけようとするのは、至難の業です。個人投資家には、ほぼ絵に描いた餅になってしまう利殖方法ではないでしょうか。
3.さやすべり取り
さやすべり取りとは、商品先物を売って利殖を狙うスタイルです。
先物とは、例えば1年先の商品を今取引しているようなイメージです。(だいぶ意訳)
商品先物というのは、一番期限の長いものが一番高くて、時間が過ぎるとだんだん価格が安くなっていくという性質を持っています。(逆に新しく登場する銘柄のほうが高い価格で取引される、という表現もあります)
本来の値動きとは別に、価格が下るという性質=さやが滑る ということからさや滑り取りと呼ばれています。
本来は限月を超えるごとに価格が剥げていく期先高(バックワーデーション)という性質を利用しているのですがこの辺りから難しい用語が出てくるので省略。
これは単純明快、新しく登場した一番期限が長い先物を売って、期限が切れるときに買い戻しておしまい。
超簡単なのですが、問題は莫大な資金量が必要な金持ちの利殖方法です。
ただでさえ先物はレバレッジの効いた取引なのに、新しい先物を売り、また新しい先物を売り、さらに新しい先物を売り・・・と時間が経過するごとに先物の売りが膨らんでいきます。
その大量の先物売りポジションを保有して商品価値が上昇すると大損こいて資金底をつき負けてしまいます。
金額ではまだ余裕があっても、商品価値が上がっているのに損失になるという逆張りスタイルで大損(の含み損)を抱えるのは、かなり辛いものです。
商品価値が0になる、または減っていくのがわかっていれば持ち続けるのも楽なのですが、このさや滑り取りは値動きではなく、限月交代しながら価格が下がっていく性質を利用しているので、狙っているポイントが違います。
普通の投資家でさや滑り取りを安全確実に利益にしている人はほとんどいないです。
一時的な上昇、しかも商品価値が高騰するのにも耐えられる資金量でやれている人がいたら、すでに成功した人だと思ってください。
資金量さえあれば負けない(であろう)利殖スタイルです。
まとめ
世界三大利殖とは「さやとり、さやすべり取り、オプション売り」のことを指します。
株式投資やFXのような
- 値上がりするか
- 値下がりするか
を狙いに行く戦いかたではなく、
- けが人が何人発生するか
- 開いたさやが戻るか
- 期限が先なものほど高い性質を利用するか
という価格の上下以外の要素に利益を求める投資スタイルです。
この中で個人投資家が最も取り組みやすくて利殖を狙いやすいのはオプション売りだと私は思っています。