ソフトバンク第3四半期決済サプライズの仕組みを全部ばらす
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あの有名なソフトバンクグループは、第3四半期決済で「オプション契約」を使って損失を大幅に消していました。
-40億ドルの損失を出すところが、-11億ドルで済んでいました。
「それって、大企業だからできたんだよね~。私にはムリムリ(×_×)」
って思うかもしれませんが、
これまで解説したオプション契約の仕組みで、
カンタンに何をやったのか分かってしまうんですよ💛
しかも自分で実行することもできます。
あのソフトバンクと同じ投資方法を。
この記事では「オプション契約」の効果について、
ニンテンドー〇イッチを買った後にオプション契約を使うとどうなるか
転売に例えて解説しています。
オプションで出来ることは転売に例えると利益のバラツキを抑える
今日でこのシリーズもはや第4弾。
前回までに解説したのは
・定価3万円のニンテンドー〇イッチを4万円で転売目的で買えた
↓
・売る契約の付属特約(=オプション契約)を使って、2週間後に必ず5万円で売る契約をして、1,000円をゲットする
↓
・そのゲットした1,000円を使って、今度は2週間後に必ず4万1千円で売れるという、付属特約(=オプション契約)を結ぶ。
こうすることで、
<通常の転売>
・最高値は無限大(実質6万円くらい?)
・安くなったら定価の3万円まで値下がり
を狙った転売の収益が
<オプション契約付き>
・最高値はどんなに値上がりしても5万円
・どんなに安くなっても4万1千円
こんな感じで、バラツキが非常に少なくなって損失も出ない安心な取引に変わりました。
これをリアルマネーの世界で実現してるのが、ソフトバンクグループです。
今回はそのソフトバンクグループがどんな取引をしていたのか、暴露したいと思います。
ソフトバンクグループの2019年3月期 第3四半期決算 投資家向け説明会
ソフトバンクグループは第3四半期決済でこんな取引を行ったと公開しています。
決算の資料から抜粋しますと、ソフトバンクはエヌビディア(NVIDIA)というアメリカの企業を買収していました。
その株が時価総額で半分になったので、市場はさぞかしソフトバンクは大損失を被ったと思っていました。
それが一時期は281ドルまでつけていたのですが、半分以下の134ドルにまで下落しました。
株価が半分を割るというのは、日経平均株価だと考えると、今は22,000円くらいなので、10,000円くらいに一気に値下がりするということです。
民主党政権の、アベノミクス前の相場状況に一気に下落する感じです。
消費増税くらいのインパクトでもそこまで下げるかどうかですが、ただの1企業の株価が一気に下落してしまいました。
このかぶを買っているソフトバンクはさぞかし損失が膨らんだことでしょう。
市場予想は-40億ドル(4000億円!)くらいの損失がでているはずだとかんがえて、
「ソフトバンクの決算やべーんじゃね?」なんて予想でした。
ところが・・・
ソフトバンクは「売るオプション契約」を使って、218ドルまで値下がりしたら売れる契約をしていました。
これ、どういうことかわかりますか?
冒頭でニンテンドー〇イッチを4万1千円で必ず売れるオプション契約を説明しましたが、それをリアルのNVIDIA株で218ドルで必ず売れる契約をしていました。
ということは、実損失は-11億ドルで済んだのです。
-40億ドルの損失が出るところが、なんと-11億ドルで済んだ。
これがオプションの力です。
「でも、この契約にコストは掛かったんでしょ?」
と思うでしょう。
実は、ソフトバンクがNVIDIA株が値上がりしている最中に、アリとキリギリスの世界のアリのように、コツコツと事前に対処していたんです。
250ドルで売る契約、280ドルで売る契約、300ドルで売る契約・・・
というのを細かく契約をして、
契約が実行されそうになったらその契約を損切りしたり先延ばししたりして、
この218ドルで売るオプション契約のコストを回収していました。
コストを回収するというよりも、
コツコツとオプション契約で出た利益を、
地道に人知れず218ドルで売るオプション契約を買い増していったわけですね。
冒頭のニンテンドー〇イッチであれば5万円で売るオプション契約をすることで
契約金の1000円をもらっていたのと同じ仕組みです。
つまり
・定価3万円のニンテンドー〇イッチを4万円で転売目的で買えた
↓
・売る契約の付属特約(=オプション契約)を使って、2週間後に必ず5万円で売る契約をして、1,000円をゲットする
↓
・そのゲットした1,000円を使って、今度は2週間後に必ず4万1千円で売れるという、付属特約(=オプション契約)を結ぶ。
これを
・105ドルのNVIDIA株を買った
↓
・売る契約の付属特約(=オプション契約)を使って、300ドルで手放すオプションを売って契約金をゲット
↓
・そのゲットした契約金を使ってコツコツと地道に218ドルで必ず売れるオプション契約を結ぶ。
↓
見事に暴落
↓
218ドル以下は損失が出ないので損失限定!
という取引を実現しました。
これ、架空の話じゃなくて本当の話です。
こんなことを実現できるのがオプションです。
ソフトバンクはNVIDIAで+28億ドルの利益を出した
ソフトバンクは、このNVIDIA株で、結局+28億ドルの利益が出ました。
株の最高高値は281ドルだったので、天井で売ることはできませんでしたが、218ドルで必ず売れるようにしたので利益をしっかり確保しました。
この一連の資料や孫さんの説明は、こちらのページに載っています。
この内容は、2月に「銀行員のための教科書」ですでに解説されている内容です。
こちらを読んで知った方も多かったのではないでしょうか?
www.financepensionrealestate.work
やってることは転売のブレを抑えるのと一緒
結局やったことは、ニンテンドー〇イッチの転売と一緒で、利益のブレを抑えるためにオプション契約を使っただけです。
株の高値を諦めることでお金をもらって、そのもらったお金で保険を掛けて218ドル以下になっても損が出ないようにしただけですね。
オプションにどんな使い方があるのか分かりましたでしょうか。
こうやって株のバラつき(リスクとも言います)抑えることができれば、安全な資産運用もできると思いませんか?
関連記事です。
第1弾
第2弾
第3弾